●犬の事故・実際の訴訟例
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犬が吠えて転倒骨折 |
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71才の女性が自宅前で立っていたところ散歩で通りかかった犬が突然吠え、女性は驚き転倒。足を骨折し7ヶ月の通院治療。ラブラドールのメス1.5才リードは付けていた。
被害者の請求額 3400万/結果440万 (横浜地裁 H13.1.23)
判決:飼主は犬がみだりに吠えないよう調教する義務がある
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犬が飛び出し転倒骨折 |
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82才の女性がマンション自室に戻ろうとしたところ、敷地内の通路で犬を散歩していた飼主がリードを放したため、犬が女性の背後に近づき接触。女性は転倒骨折。2度の手術を受けるが歩行困難に。犬は中型の雑種。
被害者の請求額不明/結果320万(東京高裁 S56.8.27)
ポイント-被害者の住居は、健康的に老後を送る目的のライフケアマンションだった。老人が多く、犬に当たれば事故の恐れあり。
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犬に唸られ転倒骨折 |
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友人の犬を連れて公園を散歩していた女性に、綱に繋がれていない他の犬が近づき、唸ったことから、女性が恐怖を感じ、離れようとした際、バランスを崩して転倒。右太股骨折。
被害者の請求額3300万/結果870万(大阪地裁 H14)
ポイント-犬の管理者が犬を公園、道路などに連れ出す時は、他人に危害を加えないように綱を付けるべきで、原告の転倒の原因をつくった。
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犬をよけようとしてバイクが転倒、骨折 |
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飼主が散歩に出ようとしてシェパードの檻を開けたところ、犬が歩道に飛び出し歩行者に向かって吠えた。走行中のバイクがその犬をよけようとしたが、接触転倒。複雑骨折で192日間の入院。
被害者の請求額2674万/結果307万(最高裁 S56.11.5)
ポイント-事故の責任は、犬の動静に十分注意しなかったバイクにありとした一審に対して、飼主に過失ありとした二審を最高裁が支持。
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噛みつき事故、ケガ |
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若い女性が散歩中の秋田犬に「大きな犬ですね、怖いですね」と言ったところ、飼主は「何もしないよ」と答えた。女性が座って犬と顔を突き合わせたところ、鼻をもぎ取られた。4回の整形手術。
被害者の請求額1765万/結果220万(大阪地裁 S61.10.31)
ポイント-飼主は、犬の行動に万全の処置を講じることが基本的な注意義務とされた。
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噛みつき事故、ケガ |
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キャンプ場で、飼主がテントの撤去作業中、犬を木につないでおいたところ、小学三年生の少女が座って犬を見ていた。目が合ったのか犬は急に飛び付き、少女は頬に傷を負った。傷口を縫い一週間の通院。
被害者の請求額600万/結果40万(仲裁センター 和解 H5)
ポイント-少女が縫ったことを思い出し、再度医者へ行くことを怖がったため、将来傷が残るか、手術が必要かの判断が出来ず。
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犬に襲われ交通事故 |
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10才の少女が文房具店に行ったら閉店していたので、店の奥にある経営者宅にいくと、突然犬が吠えながら襲って来た。道路に逃げたところ走ってきた車に轢かれる。顔面に著しい損傷と、視力低下の後遺症。犬にリードなし。噛みつき歴あり。
被害者の請求額1288万/結果826万 (大阪地裁 S57.7.15)
ポイント-噛みつき歴のある犬を放し飼いにしていた罪は重い。
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犬同士のケンカでケガ |
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女性がリードを付けて柴犬を散歩中、リードを放していた別の犬と出会い、犬同士遊んでいたが、突然ケンカを始めた。女性は自分の犬をかばおうとして手首をかまれる。軽傷。どちらの犬が噛んだかは不明。
被害者の請求額296万/結果23万 (東京地裁 H4.1.24)
ポイント-噛んだ犬が特定出来なくとも、犬を放していたほうが悪い。 |