JCDA 講演会報告_2・・・・・・・・・・・・・・2003年8月3日(日)



日本同伴犬協会では8月3日(日)に『飼い主が学ぶ犬のしつけ(犬は家族の一員)』と題して講演会を開催致しました。講師は日本警察犬協会公認訓練士であり、当協会のしつけ教室でお馴染みの小川孝博先生です。7、8月は恒例のしつけ教室がお休みになるため、その間に、飼い主の方々にはしつけの基本をしっかりと学んで頂こうという企画です。

前半は、しつけ用具の説明と、チェーンを付けた状態でのリードの引き方が中心でした。講演のパートナーをしてくれたのは、マイラというラブラド−ルレトリバーで、実際に犬を使っての講演は分り易く、とても好評でした。
リードを突っ張った状態のままにせず、犬を先に歩かせてタイミング良くリードを引く、この繰り返しで散歩中の引っ張り癖がかなり改善されるそうです。しかし、参加者の中にはこれから犬を飼う方や、チェーンリードを使ったことのない方もいらしたので、リードを引く強さに少し驚いた様子も見受けられました。


小川先生の経験談に“食糞”に悩む飼い主についての話もあり、人其々、様々な悩みをかかえて犬と生活していることが分りました。

後半は甘咬みの直し方や拾い食い防止方法、無駄吠えの制御など、生活する上での基本的なしつけの方法を学びました。また、散歩中一箇所でトイレをさせるトレーニングなど、日頃のしつけ教室ではなかなか聞けないこともありました。
しつけの基本を学んだ後は、犬が病気やケガをした時の救急処置(人工呼吸や脈の取り方)、そして、Tシャツを使っての輸送方法−特に大型犬の場合2枚のTシャツを使って運ぶなどは飼い主が是非知っておきたい内容でした。


また、犬がけがをした時にパニックを起こし、飼い主を咬んでしまうことがあるそうですが、リードを結んで口輪を作る方法などは獣医さんに診てもらう時にも役に立つことだと感じました。
質疑応答では、これから犬を飼う方からの犬種についての質問や、しつけに関する質問、サークルでの生活の仕方や、他の犬との接し方など様々な質問が飛び交い、参加者が一体となって、考える場面もしばしばありました。
小川先生のユーモア溢れる講演と、マイラが頑張ってくれたお陰で、楽しく、充実した講演会になりました。


最後に当協会から世田谷区の動物保護センターと警察からの資料に基き、東京都で年間処分されている犬猫の数と迷子犬についての報告をしました。 迷子犬の殆んどは常習だということで、飼い主の意識改革が必要に感じられました。
処分される犬の中にはしつけをきちんとしなかったことによって(犬が自分を家族のリーダーと勘違いし)飼い主を咬んでしまい、引き取られるケースが多々あるということです。しつけをすることによって飼い主が犬をコントロールでき、そのことが犬との生活を楽しいものに変えていくのだということを学んだ講演会でした。